個性はどの様に発揮されるのでしょうか。一つには「視点の違い」として現れると言えるでしょう。同じ物事を体験しても、どの立場、方向から観察し、どこに焦点を当てるかという段階で個性が現れ始めます。

今作品を生み出された生徒さんはアメリカ在住で、現地校に通学なされています。英語のみ による忙しい学校生活の中で、時間を刈り取り、粘り強く作成に取り組んでくださいました。

環境ゆえに限られた語彙であっても、視点の違いによって新たな価値がもたらされることを作品から教えられました。 日本で⻑年、読み継がれている「バッテリー」をどの視点で捉え、どの様に深められたでしょうか。ぜひお読みください。


心の真実  ‒ バッテリーを読んで –


私はバッテリーという題の本をこの夏、読んだ。この本の作者はあさのあつこ氏であり 1996 年に刊行され⻑年、読み継がれている本である。本のあらすじをまとめて書きたい。 バッテリーは野球をやっているピッチャーの原田巧とキャッチャーの永倉豪が主な登場人 物だ。その二人は野球を通し成⻑して強くなっていくというストーリだ。二人ともトーナメ ントに勝つために毎日練習して最後に二人は、協力して強くなっていく。この話は二人の才 能と努力を描いた本である。


次に本を通して読者に伝えたい筆者のメッセージは何かについて考えてみた。筆者はどう すれば人の行いを正しく評価できるかと言うテーマについて書いているのではないか。努 力はいつか皆の目に入り評価される時が来る。そして、努力している場面を想像し読み取る 姿勢を持って欲しいと言うことを読者に伝えたいのではないだろうか。なぜなら、人にはい い場面しか目に入らないが、人が頑張って努力している場面は目に入りにくいからだ。例え ば、本の中で原田巧が努力して友達や先輩にどうやって上手くなれるか聞いたり、練習に付 き合ってもらったりしていた。友達や先輩は原田の努力を見て評価した。人がいない場所で 練習するのもいいが評価されたい時は人に自分がどれだけ上手くなりたいかや練習してい るかを見せることも必要だ。


ここで、どうすれば人の行いと自分の行いを正しく評価し、評価されるかについて考えてみ た。密接にコミュニケーションして継続して努力を共有する。自分が練習したり、人に練習 に付き合ってもらったりと自分がものすごく上手くなりたい姿勢を見せれば評価されるが 人は情報が少ないと最初の印象や想像で評価するしかない。ただし、情報があればその人の ことが正確にわかる。例えば、コーチやチームに練習に付き合ってもらえるか聞いたり、人 の前で努力することが大事だ。


次にどのようにコミュニケーションすれば正しい情報が伝わりやすくなるかさらに考えて みた。分かりやすいコミニューケーションとは、相手と話している時に相手の見えない言葉 を想像して会話を続けることである。なぜなら、コミュニケーションとはお互いの見えない 情報で成り立っているからだ。例えば、空気を読んで合わせながら発言しなければ自分が言 いたいことを言えない時がある。その空気とは会話をしているときに相手の考えているこ とを読みとることを言う。相手の考えを読みとるには本などを通して様々な考えをたくさ ん頭に入れて会話をする事が大切だ。そうすれば分かりやすいコミュニケーションができ るようになる。


人と会話をする時には相手にとって想像しやすい言葉の使い方が必要になる。なぜなら,人 の心は空気のように透明で見えない情報だからだ。心の中にある真実は他人にはわからな い。だからこそ相手に分かりやすく伝える努力が必要だ。私はこの本の題を「人の心の真実」 と名付ける。

中学 2 年男子生徒