授業を進めていると、何気ない講師の一言が生徒に影響を与えていることを実感します。最近、「どうせ」という言葉をふと発言してしまい、生徒から「 -どうせ- と言わないで」とひどく悲しまれた経験をしました。その様子を目にした時、改めて、発している言葉の力を実感しました。

それに対して次のことも分かります。言葉の力を築き上げるためにも用いられると。特に私が授業中に述べるように心がけている言葉があります。それは、- なるほど- という一言です。

この言葉は生徒に次のメッセージを送っていることになります。「あなたの意見を受け止めています。あなたが思い、考えていることには価値があります。」この言葉を聞くとき、生徒は意見を言っても良いのだ、という意識が芽ばえます。それは、自尊心の醸成にも繋がります。

さらにその言葉は自分自身に対しても次の様なメッセージを送っていることになります。「まず相手の言葉を受け止めましょう。一緒に考えましょう」それは、感情を制御し受容の姿勢を整えていることになります。

講師が受容する大きな受け皿を用意し、生徒が安心感を得て前を見る時、考えるという歯車が動き、同時に言葉である水は流れ続けます。-なるほど- という言葉を用いて、考える子供へと。