夢のネタバレ
少女は友達との待ち合わせ場所でスマホをいじっていた
「数ヶ月前、スマホを買ってもらってから、私の生活は豹変しました。私はSNSアプリの沼にどっぷり浸かってしまったのです。ネット上で「推し」ができてしまい、毎日朝から晩まで、時には寝る時間を削ってまでスマホを見漁りました。悪いこととはわかっていましたが、やめられませんでした。そして、そのせいで私の成績は大きく下がりました。昔から頭の良かった私はとてもショックでした。成績だけではありません。視力も悪くなり、肌の血色も悪くなりました。私はスマホの教育を受けていたにも関わらず、こうなってしまいました。誰だってスマホの使い方を一歩間違えたらこうなり得ます。どうか、スマホと正しく付き合ってください。」
投稿者は何を思ってこれを投稿したのだろうか。少女は笑ってしまった。少なくとも少女の周りにはそんな人はいなかった。スマホに多くの時間を割いてもメリットがないなんて誰だってわかるはずだ。少女がその「スマホに乗っ取られた人」に呆れていると、友達がやってきた。少女は友達と学校へ向かう。数学、理科、社会、美術、英語、保体。昨日少女が確認した通りに授業が進む。
そして保体の授業を終え、帰りの学活を終え、吹奏楽部がないため私はそのまま家へ。家に帰ると、私は宿題のプリントに取り組んだ。自分の目標にしているものに関する作文。中学生になってまでこんなものを書かされるなんて…。「私は昔から目標にしていることがあります。それは、」。アイドルです。そう書こうとした手を止めた。どうしてだろう。昔から当たり前のように見てきた文字なのに、私は何を躊躇っているのだろう。別にアイドルになりたくない訳ではない。ただ、なんと言うのだろう。アイドルになっても何も得るものがない気がする。かといって、今諦めれば、今までの努力が全て消えてしまうし…。
私は考えるのが面倒くさくなって文章にアイドルという文字を付け足した。「きっかけは、」。私がアイドルになったきっかけ。ちっちゃい頃お母さんの好きなアイドルのライブを一緒に見に行ったのがきっかけだと思う。私はキラキラした姿に文字通り一目惚れした。アニメの世界には入れないことを知り、キラキラしたヒーロー少女になることを諦めかけていた小さな私にとって、アイドルは「本当の世界」でのヒーローだったから惹かれたのかもしれない。何はともあれ、私はその時からアイドルを目指していた。
でも今はアイドルの輝きがわからない…。 何分経っても変化のない作文用紙にうんざりした私はSNSを開いた。新ドラマの告知、配信のお知らせ、ショートムービー。うるさいくらいの情報が画面いっぱいに出てくる。最初これを見た時はとても興奮した。たった手のひらの大きさほどしかない物を通して世界中を見渡せると思うと、ワクワクした。でも、もしかしたら、私の情熱は全部この小さな端末によって簡単に消えて行ったのかも知れない。別に悪いとは言っていない。それでも、今少女の目に飛び込んでくる色とりどりの賑やかな情報は、周りの色を吸い込んでいるように見えた。
中学1年女子生徒